January 1, 2002
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Japan
GOTTFRIED-HELNWEIN
GOTTFRIED HELNWEIN
ゴッドフリート・ヘルンバイン集
GOTTFRIED HELNWEIN 構成・解説 伊藤俊治 リブロポート オーストリア=ウィーンはヤバい芸術家を数多く輩出/排出している。シェーンベルク、ベルク、ウェーベルンら新ウィーン楽派の音楽、シーレ、ココシュカらの表現主義的な絵画、フックスらのウィーン幻想派。 そして、我らがヒーロー、ゴットフリート・ヘルンヴァイン。
……なんて言っても誰も知らないかもしれないし、全然有名じゃないのかもしれない。
とりあえず、以下に彼のウェブサイトを載せておきます。ホラー映画やホラー小説ファンで、病弱でない方、妊娠中でない方はどうぞ。
Gottfried Helnwein - The Official Website
で、気に入りました? クローネンバーグやクライヴ・バーカーなんかの映画に登場してきそうな人ばかりでしょう。被写体はダイアン・アーバスのようなフリークじゃないんだけど、みんな顔に包帯を巻いたり、金属を突き刺したり、火傷にあったような皮膚?をくっつけたり、なかなか「変態」してるよね。多分、ひんやりした実験室で痛々しい「死体」を熱心に演じているのだろう。
まあ、子供にまで(と言ってもヘルンバインの子供なんだけど)こういうことさせてるからちょっとイタいけど、それでも、どこか楽しそう。
でも子供を痛い目に会わせるのは理由があるみたいだ。
ゴットフリート・ヘルンバインは1948年、ウィーンに生まれた。ご存知のように第二次世界大戦は1945年終了。そしてウィーンは1955年までソ連を含む連合国に占領されていた。
この本の解説によると、この占領期間中、強姦のために生まれた赤ん坊の数は驚くほど多かったが、普通に生まれた赤ん坊の数は極端に少なかったそうだ。つまりこの時期に生まれた子供は望まれて生まれたわけではないということだ。そのため、ヘルンバインの一連の作品の中で、残酷な仕打ちを受けている(ように見える)子供たちは重要な位置を占めている。
そして「黒い鏡(ブラック・ミラー)」というシリーズでは、ナチス及びその強制収容所をイメージさせるものになっている。ただしこのシリーズは、作者の切実な経験や調査から生み出されたものではなく、なんとスティーブン・キングの短編小説『ゴールデン・ボーイ』からインスピレーションを得たのだという。こういう感覚は生真面目なドイツとは違うのかもしれない。あるいはこのアーティストは、アメリカ経由のエンターテイメント化された恐怖と贖罪(つまりポストモダン化された)を描きたかったのかもしれない。
しかし、それだからこそ、マージナルな良識に囚われない、パーソナルなヤバさが全開している。グロテスクだけど、どこかコミカル。こういう作品を鑑賞すると「死」はそんなに暗く、そして重くないのかも
Helnwein
1989
Helnwein
1997




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